iTunesストアのアルバム単価はなぜ1500円ばかりなのか。

それにしても、今回のTrentemoller新作の「1050円@iTunesストア」という価格にはちょっと驚いた。

海外のiTSでは1050円という価格は決して珍しくなく、9.9ドル〜14ドルくらいで販売されているけど(現在の為替相場で言えば900円〜1200円くらい)、日本での海外タイトルはたいてい1500円に設定されており、場合によっては2000円くらいで販売されているアルバムもある。

前々から、何故、日本のiTunesストアはアルバム単価が高いのかずっと疑問だったけど、国内盤の販売がないTrentemollerが1050円という価格帯で販売されていることを考えると、海外タイトルについて、通常は国内レコード会社との取り決めがあるのは間違いないのだろう。Trentemollerの新作の値段はそうした制限が一切なく、おそらくは彼自身のレーベルであるhfn musicが設定した値段なんじゃないだろか。

最近は、国内大手メーカーが輸入版のディストリビューターも兼ねることも多いらしく、海外タイトルでもこうした価格制限が厳しくなることも仕方ないかもしれないが、海外では1500円より安く買えるのに、日本では扱い自体がないといった状況は、なるべく避けて欲しい。

そもそも輸入版販売は、返品ができず下手をすると在庫を抱えることになるため難しい商売ではあるけれど、販売店が直接買い付けるのでなく、大手メーカーがディストリビューターになると、わりとマニアックなカタログの扱いが多かった輸入版も、知名度の低いアーチストの作品が「売れないから」というメーカー側の判断で購入しづらくなる可能性もある(実際、実店舗ではそうなりつつあるように感じる)。

Trentemollerのような、知名度は低いながらも独自のレーベルを立ち上げ地道に活動するアーチスト達を支援するためにも、iTunes Storeには、レコード会社やレーベルの制限を受けることなく、自由に商売してほしいものだ。