「ハンニバル」はお笑い映画?

先日、スカパーFOXで「羊たちの沈黙」の続編「ハンニバル」を、途中から、しかもかなりエンディング近くから見てしまった。
ザッピングしていたとき偶然見たので、あくまで「見た」でなく「見てしまった」なんだけど、ふと見たそのシーンは、主人公のジュリアン・ムーア演じるクラリス捜査官がレクター博士に監禁され、ある光景を強制的に見せられる、というシチュエーションのものだった。
ここまで言えば、すでに見た事のある人はピンとくると思うが、そのシーンとは、あの悪名高い「自分の脳を食べる」シーンであった。字面だけみると、とてつもなくグロテスクなシーンだと思われるが、その場面だけ見た自分は、思わず笑ってしまったのである。以下はそのシーンを見たときの疑問点。

  • 頭蓋骨というのは、ナイフでサクサク切れるほど柔いのか?
  • 前頭葉を切除されて人は意識を保ち話すことが可能なのか?
  • そもそも脳を外気にさらして、それをソテーにして食し「うん、おいしい」とか言ってるあの男(レイ・リオッタ)は誰?

以上、疑問点だけ抜き出してもグロイことに変わりないのだが、思わず笑ってしまったその原因のひとつに、そのシーンにおけるレクター教授と被害者(と言っていいのだろうか)との会話がある。自分の前頭葉ソテーを食すレイ・リオッタが、それを与えているレクター博士にある質問(内容は忘れたけど、すごく普通の会話然とした質問)をするのだけど、その受け答えが「良くわからないなら黙っていろ」である。なんだか好奇心丸出しの子どもを親が叱っているかのような内容だ。これは、映像も見てみないことには分からないと思うけど、レイ・リオッタアンソニー・ホプキンスの演技を見ていると、ほんと叱る親と子どもという雰囲気で、とても「とある捜査官が殺人鬼につかまり窮地に陥ったシーン」には見えず、どう見てもギャグ映画なのである。冒頭からきちんと見ていればまた違った見え方もあるのだろうけど、途中まですごくいい雰囲気なのに、クライマックス近くで「あんなシーン」を見せられてもねぇ。