Massive Attackのアレンジで有名なCraig Armstrongを買ってみた

As If To Nothing

As If To Nothing

Space Between Us

Space Between Us

Massive AttackのWeather Stormといえば、坂本龍一・後期のソロ作品を思わせるようなピアノの旋律が印象的なナンバーだけど、このWeather Stormでピアノと作曲で参加しているCraig Armstrongを買ってみた。購入したのは、As If to NothingとThe Space Between Usの2枚。
発売日が2002年とすでに4年前なので今更感は拭えないけど、バズ・ラーマン監督のロミオ&ジュリエット、ムーランルージュなど映画サントラ界でもかなりの評価を得ているので、サントラちっくな音が大好きな自分としてはかなりの期待を抱いていたわけですが、これが想像以上に良かった。
上記2枚のアルバムにはピアノの演奏自体はあまり全面には出ておらず(ずっと鳴っていますけど)、どちらかといえばオーケストレーションやシンセ、打ち込みのリズムトラックをフューチャーしたドラマチック・サントラ風エレクトロニカ、そんな雰囲気。*1
悲しげなメロディーに緊張感という表現がまさにぴったりのストリングスが、これでもかと曲をドラマチックに盛り上げます。この盛り上がりを強引に言葉で例えるなら、戦争もの映画などで主人公が自らの死を覚悟しつつ誰かを助けるシーンにかかるような、ナルシスティック・メランコリーとでも表現したくなるような、そんな緊張感。
そんなドラマチックな楽曲に、LemonheadsのEvan DandoやMogwaiU2のBono、Cocteau TwinsのLiz Fraserがゲストとして参加してると来たら、こりゃもう悪いわけがない。
こんなに素敵なCraig Armstrongですけど、アレンジャーやサントラ・コンポーザーの評価からすると、意外なほどにソロ・アルバムが知られていない気がする。俺が知らなかっただけかもしれないけど。Massive AttackのWeather Stormで鳴っているピアノの旋律に少しでも心が動いた記憶のある人*2、またはロミオ&ジュリエット、ムーランルージュのサントラに涙した記憶のある人には、ぜひ聴いてもらいたいアルバムです。

*1:そういや、Massvie AttackのDanny The Dogってこんな感じだった。Craig Armstrongのほうが良かったけど。あと攻殻機動隊のサントラにも似ていた。というか菅野よう子さん、きっとCraig Armstrongのアルバム愛聴しているんじゃなかろうか。

*2:The Space Between Usには「Weather Storm」のアレンジバージョンも収録。素晴らしく美しいアレンジになってます。