通勤読書6/19〜25
よくここで書いているように、毎月アホのようにCDを買い漁ってるわけだが、日記に書かないだけで小説にもけっこう散財している。俺の出費のほとんどはCDと小説といっても過言じゃない。とりあえず最近読んだ本。
- 作者: 貴志祐介,酒井和男
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2000/12/08
- メディア: 文庫
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- 作者: 奥田英朗
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
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全4編のうち、前半3編が著名人や芸能人のパロディーなんだけど、これらパロディー作品は、個人的にはちょっとイマイチ。これだけあからさまなパロディーだと、まるで風刺小説のような趣きになってしまうし、なにしろ伊良部先生があまりイキイキしてこない(このシリーズ?の場合、ここ大事)。ちなみに取り上げられたとおぼしき人物は、読売の渡辺恒雄とライブドア堀江、最後の女優は名前から判断すると黒木瞳といったあたりだろうか。基本的には人物批判というより社会情勢批判ってノリが強いけど、各著名人への先入観が邪魔して、あまり素直に読めなかった。
これらを読んでいて「ああ、もう伊良部シリーズもネタ切れかなぁ」とか思ってしまったけど、前半3作とは対象的に、表題作の「町長選挙」は、「イン・ザ・プール」、「空中ブランコ」収録の作品と比較しても、かなりの個人的ヒット。東京都であるにも関わらず、ほとんど治外法権状態の千寿島、その島で暮らす人々の生き生きとした描写、「物事、死人が出なきゃ成功なのだ」と言い放ち、相変わらずの我が儘とっつぁん坊やぶりを見せつける伊良部医学博士の微笑ましいボケっぷりに、いつのまにか心が温かくなる、そんな感じの小説でした。こうゆうちょっぴり心温まるストーリーに、やんわりと現代に対する警笛をしのばせる、こんな感じの話に弱いんです。