三浦しをん / まほろ駅前多田便利軒

ちょっと前に購入して放置してあった三浦しをんの小説を読んでみた。全6章からなる連作短編集(とでも表現するのだろうか)で、いちおう1話完結スタイルをとっているので、通勤電車(片道42分、約1章分)で読むのにちょうどよい長さだった。
各章の扉にあるイラストを見たときは「もしやBL系?」と思ったけどそんなことはなく(若干そんな雰囲気もある。ま、この人の場合、仕方ないか)、「家政婦は見た」の中年男便利屋バージョンとでも言ったほうが分かり易いか。主人公は、まほろ市という架空の街(町田市あたり?)の便利屋と、その同級生で変わり者の推定年齢20才後半〜30前半くらいの男2人なんだけど、便利屋として受ける依頼や巻き込まれる事件に目新しさはないものの、章の切り方や展開のテンポがよく、中だるみせずに一気に読む事ができた。続編が出るならぜひとも読みたいものだ。
今までの作品とは雰囲気が変わった印象があるけど、作品ごとに、小説のエンターテイナー性が高くなっていているような気がする。エッセイも相変わらずおもろいし、三浦先生の今後に期待です。

まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒


というわけで、通勤電車で本を読む習慣がまたもや戻ってきた感じなので、会社の帰りに2冊の文庫本を買ってみた。どちらも超メジャータイトルだけど、借金地獄と脳移植による性格破綻と、なかなかに興味深いテーマである。

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)